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IDマガジン第13号 (2005/11/28発行)


[013-04]ヒゲ講師のID活動日誌(12) ~あぁ困ったどうしよう:ねたを仕入れるのが大変ですの巻~

忙しいときには仕事が集まってくるものだとの実感を強める今日この頃。ヒゲ講師は、メルマガへの報告がない数ヶ月間、忙中閑なし状態で余裕なく走り続けていました。まぁ、出張の先々で呑むときが気晴らしになるのでエネルギー不足にはなりませんが、また少し自らを移動させるエネルギーが余分に必要な身体になっているのを実感します。ちょっとマズイですね。

7月からIDというタイトル(もしくはその和訳や部分集合的専門用語)がついた講演が続いています。たとえば、

「効果的なeラーニング実施のための道標: インストラクショナル・デザイン」(2005.7.15、熊本)
「最近のID理論展開」・「的確な教育効果を設計するニーズ分析」(2005.7.22、東京)
「教師のためのインストラクショナルデザイン」(2005.7.30、東京)
「大学授業実践を支える理論としてのインストラクショナルデザイン」(2005.8.2、仙台)
「教育の効果・効率・魅力を高めるインストラクショナル・デザイン」(2005.9.2、東京)
「大学のeラーニングを支えるインストラクショナルデザイン」(2005.9.22、松山)
「大学教育におけるインストラクショナルデザイン適用の現状と可能性」(2005.10.15、大阪)
「インストラクショナル・デザインとeラーニングの質保証」(2005.11.10、幕張)
「ITを活用した授業設計と評価方法について」(2005.11.15、つくば)
「教育の情報化と授業デザイン力」(2005.11.21、熊本)
「コースコンテンツの指導方略」・「コースコンテンツ開発計画書の作成」(2005.12.1、東京)
「eラーニングにおけるインストラクショナル・デザイン」(2005.12.2、幕張)
「eラーニングの質保証:インストラクショナル・デザイン」(2005.12.19、東京)

という具合。最近のヒゲ講師の講演を聞きにいらしていただいた方が「スライドの使い回しが多かったような」と某メルマガで書いてくださいましたが、まぁ、そういう事情をお察しください。一度丹精こめて作成したスライドを複数回使うのはID的に見れば「効率化」を目標にした取り組みでして、何回か使うことを前提とすることで、一枚のスライド制作に投入する資源を確保するのは常套手段。観客が違えばなお良いのですが、「またか」が続くとまずいですね(反省)。オーディエンスに合わせて味つけをして、同じスライドでも違う観点でしゃべるのは最低限必要。だけど、まったく同じ話をしないよう、毎回少しずつでも勉強の成果を加えていくように、心がけています。そうでないと、話している自分自身が退屈します。

ヒゲ講師が尊敬して止まない沼野一男(いちお、と読む)先生は、毎回同じことを話して退屈しないように「オーダーメイドの講義」を実践されてました。教科書を読んで質問を書いてくること。これが講義出席への条件で、下手な質問は「怠け者の質問」と評されて欠席扱い。沼野先生は、毎回の講義でどんな質問が登場するかを楽しみに講義に出かけたのでした。講義は質問への回答の時間。結構緊張するでしょうね。退屈などしている暇もない。「即答できないので次回までに回答を用意してくる」と切り抜けざるを得ない場面もあったとか。この試みを通して沼野先生が一番嬉しかったのは、学生は鍛えれば鋭い質問ができるようになるということと、学生が学びたがっているのを実感できたこと。詳細は、名著「情報化社会と教師の仕事」(国土社、1986年)をどうぞ。

これに刺激を受けて、ヒゲ講師の「教材設計マニュアル」を使った喋らない講義が誕生したのでした。まだまだ未熟だと感じていたヒゲ講師は質問を受ける代わりにテストと答え合わせを実施。あとは教材制作のお手伝い(添削とか相互評価とか)の時間になりました。しゃべるだけがインストラクタのやる仕事じゃないね、という原点です。でも、しゃべらない講演をするのは、やはり難しいです。

ヒゲ講師のID講演リストの一番上にある熊本での講演は、熊本大学eラーニング連続セミナー(http://el-lects.kumamoto-u.ac.jp/)の第4回として行ったもの。北村士朗・根本淳子と共同発表で、熊本デビューを飾りました。「何を点検すれば<よりよい講義>への糸口が見つかるかについて、IDの視点から手ほどきする。IDがどれほどのものかは、この講義を受ければ分かります」なんて大見得を切った講義概要を送ってしまってから、普通に講演できなくなった自分たちを認識。あの手この手をつくして、講演らしからぬ講演をデザインし、決行しました。興味ある方は、当日のプレゼン資料(質疑応答記録付)をどうぞ。
http://www.iwate-pu.ac.jp/home/ksuzuki/resume/addresses/a50715.files/frame.htm

11月10日の講演は、メディア教育開発センター(NIME)主催の平成17年度NIME国際シンポジウム「高等教育におけるeラーニングの質保証」(http://www.nime.ac.jp/conf2005/index.html)。ヒゲ講師は、さんざん悩んだあげく、英語で講演をするという暴挙に出ました。一緒にパネリストとして登壇したのはARCSモデルのケラー教授の弟子で最近日韓合同研究会でよく会うSONG教授(つまりはヒゲ講師の後輩)と、ディック&ケリーモデルの第3の著者CAREY教授(初対面)。この二人が英語で話すのに、自分だけ日本語で同時通訳というのがどうも不自然のような気がして、自分も英語で話すことにしたというわけ。
司会の内田教授(NIME)だけが日本語というアンバランスなパネルディスカッションになったわけでしたが、まぁよかったかな、と思っています。でもびっくり、あとでストリーミングビデオを見てみたら、なんとヒゲ講師の声が女性のように聞こえるし、しかも日本語だったのでした。これは不自然。
でも「同じことしゃべってましたね」とは言われないですみそうです。ということで、ヒゲ講師の英語の講演は幻となったのでした。これで安心。
http://p4web.nime.ac.jp/p4web3/public.asp

さてと、12月1日のeラーニングフォーラムWinter@青山学院大学は「講演」というよりは「研修のダイジェスト版」なので内容の重複についての心配はない(でしょう)。がしかし、翌日の12月2日@NIME(IT教育支援協議会)と12月19日@一橋記念講堂(熊本大学+NIME主催セミナー)はどうしよう、と現在思案中。両方ともeラーニングにおけるIDのことだし、大学教育に特化したオーディエンスだし、同じ人(しかもVIP)が居そうだし・・・。そんな舞台裏からひねり出された「ごくわずかな違い」をお楽しみになりたい方は、是非両方に足をお運びくださいませ。お待ち申し上げております。12月19日の講師陣は豪華ですよ、是非ご来場くださいませ(http://tels.kumamoto-u.ac.jp/)。

(ヒゲ講師 記す)


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・基盤的教育論
・eラーニング概論