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IDマガジン第19号 (2009/5/29発行)


[019-04] 【報告】熊本大学eラーニング連続セミナー:eラーニングにおける学習持続(2)

■eラーニング学習効果を高める自己管理型学習能力
Using Self-regulated learning skills to enhance elearning

Brenda Litchfield教授は小中高の理科教師を11年間経験した後大学院教育に携わり、全米科学財団や環境保護局等のマルチメディアプロジェクトを手がけている。彼女の講演では、自己管理型学習(Self-Regulated Learning = SRL)によってeラーニングの学習効果向上を目指す研究が紹介された。自己管理という言葉からは「自らを律する」とうような辛いイメージを受けるが、方略さえ知れば誰でも簡単に実現できるという。「旅行の前に何をしますか?――計画して、準備しますよね。それと同じです」と教授。例えばSRLの6つのプロセスのうち最後の「自己評価」は、帰宅後に「いい旅だった」「あの街には二度と行きたくない」と判断するのと同じであ
り、毎週(^o^) (>_<) のような顔文字をつけるだけでもよいとのこと。eラーニング30科目の運用経験から、「学習者がSRL実現のために自分で使うことができる」ということを第一に考えて整理されたプロセスなのである。

研究結果によれば、様々な集団に対しSRL実現のための方略を教授したところ、多くの学習者から「これはすばらしい、もっと早く知りたかった」という評価を得、達成度も高まった。また、方略だけでなくその目的や根拠も説明することによってさらに効果が上がったこと、下位者に対してより効果的であった(上位者は自然とSRLを実行していた)こと等も報告された。フロアからは遠隔教育のポイントや研究の詳細について質問があり、「教員がまずSRLを身につけることが必要だ」という意見も聞かれた。講演の最後は「SRLの将来」として「eラーニングに限らず、どのような学習形態であってもSRLは必要である」という言葉で締めくくられた。学習者としてもインストラクタとしても、自分の取り組みを反省させられ、かつ希望を持たせてもらえる講演であった。

(熊本大学大学院教授システム学専攻博士後期課程1年 曽山 夏菜)


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