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IDマガジン第26号 (2010/2/4発行)


[026-02] 【連載】ヒゲ講師のID活動日誌(25) ~履修主義でなく習得主義に立脚した学びの場~

2010年1月29日、ヒゲ講師はメルパルク京都にいた。国際フォーラム「(民立)京都レッツラーン大学校の設立に向けて」に参加するためだった。フランスからの招待講演者2人を招き、大学などのフォーマル教育以外にどのような制度を確立することで職業教育訓練をより多くの人たちに開放するか、その試みを学んだ。第二部では、「雇用可能性の確保と学びのコミュニティの役割」と題するパネルディスカッションで、生涯学習の現状、ネット時代の職能、eラーニングの可能性などが話し合われた。最後は「円卓会議」で3つのテーマに分かれて今後の方向性についての意見を交換した。とても充実した一日だった。

京都レッツラーン大学校は、NPO法人学習開発研究所が京都府委託事業としてその設立に向けて準備中の民立高等教育機関である。eラーニングを使って職能訓練を行うフォーマル教育以外の枠組みを模索する、という大きなチャレンジに一つ参画してもらえないだろうか、とヒゲ講師が尊敬する西之園晴夫先生に声をかけてもらい、その門出に立ち会う機会を得た。興奮が覚めやらぬ中で送った御礼メールを以下に引用し、この試みがIDの応用シーンとして益々発展することを楽しみにできる限りの「お節介」を続けていく気持ちを表明しておきたい。

ーーー以下、メールからの引用ーーー
見出し:門出に立ち会えて感謝
西之園先生、皆様:鈴木@熊本大学です。昨日はありがとうございました。とても刺激を受けました。

・履修主義でなく習得主義
・途中から始められる・必要なところをつまみ食いできる
・職務に直結する力がつく・それを確認できる

教習所に通って免許をとるのではなく一発試験に向けてみんなで空き地で練習する、問題を解きあう仲間というイメージを思い描きながら拝聴していました。大人の学びには「何も知らない」という前提から始めるのは無駄だということですね。

こんなことを実現するためには
たとえばシステムLSI技術のビデオコースでしたら、
・ビデオを見る前に職務に直結する実務的課題を提示する。
 これが学習成果。課題は複数でも良い。ビデオを見る前にチャレンジしてできればそれで合格。
・この課題ができるようになるための道筋を見せる(実務課題とビデオとの関係マップ)
・学習計画をみんなで立てる
・自分が知っていることのビデオは見ないでもよい
という流れが良いのではないかと思いました。
最近のインストラクショナルデザインの理論と合致した進め方です。

うちの大学院でもこんな感じでやってますが、どうしても
・自分が知っていることのビデオは見ないでもよい
の部分ができません(正規カリキュラムとしての縛り=最低学習時間が決められている)。

#ビデオは極力使わずに本を読ませることで、斜め読みで済む人にはその自由を与えるようにはしていますが、
#公にはそれを強調できません。

この縛りがないのがレッツラーン大学校の特長だと思いました。

ありものを使ってどう学ぶか、その原則のようなものをデザインして(たとえば上記のようなもの)、それを最初のコースで試せれば特長が出せるのではないかと思いました。

レッツラーン大学校で学ぶと、ありものを組み合わせて学ぶ力も付く。
個々の内容領域の学習成果だけでなく、これも学習成果として掲げても良いと思いました。

また学ばせていただく機会を楽しみにしております。
とりいそぎ
ーーーメールからの引用おわりーーー

参考:京都レッツラーン大学校設立準備室 http://www.ks-pl.org/
   NPO法人学習開発研究所 http://www.u-manabi.org/

(ヒゲ講師記す)


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