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IDマガジン第3号 (2004/7/23発行)


[003-03]IDと就職活動

今回頂いたテーマは、IDと就職活動です。学生の皆さんには、「就活」と言ったほうが理解できるかもしれません。(もしかするとこの言葉は、若さを判断する前提テスト・・・となると、前提テストをクリアしなければ今回のコラムの対象外ですか?冗談)

学生が研究活動を行うにあたって気になることのひとつに、自分の研究が就職にどう影響するかが挙げられるかと思います。就職活動でIDを中心とした研究しているということを、どの程度アピールすることができ、またどの程度効果があるのか? 私自身が常に気になった点でした。一般的に、就職活動は、筆記試験->面接というような流れを踏みます。途中、グループディスカッションが入る場合もありますが、上記の形式が一般的です。その中で、IDを研究していることをアピールすることができる唯一の機会は面接でした。

面接には、自己アピールをする時間が必ず設けられ、大抵の人はサークルの幹事をやっていたとか、バイトで責任のある立場を任されていたというようなことを話します。(余談ですが、就職活動中は、誰も彼もサークルの幹事と化します。不思議でたまりません。) この、面接の場面こそが、IDを研究していることをアピールする最大のチャンスなのですが、ここに大きなジレンマがありました。

第一に、IDといっても全く通じない。

第二に、なまじeラーニングを知っていると、毛嫌いされることがある。

第一の問題である「IDが通じない」というのは、比較的想像しやすいことでしょう。eラーニング自体が一般には普及していないと考えられる中、IDを知っている人と出会うのは、「東京に行けば芸能人に会える確率」に近いものがあるからです (そうは思いたくないですが) 。
次に、「eラーニングを毛嫌い・・・」というのは一度、eラーニングを導入しようとした企業、あるいは導入している企業の中に、その効果がはっきり出ないということに嫌気がさしていることを表しています。特に、面接の際に会うのは人事部であることが多いため、予算を取ってeラーニングを導入したのにも関わらず、効果が低いことや、以前より余計手間がかかると感じているようです。(私が受けた企業はSEやコンサル会社が大半でしたので、比較的新しいものに飛びつくけれども、すぐに飽きてしまうというような企業だったのでしょう。)

この二つのジレンマ解決に共通する鍵は、eラーニングをどのように説明するか、またその中でIDがどうして重要なのかを相手に伝えることと考えます。

自分の研究が、どれだけ有効であり、社会に対してインパクトのあることなのか、さらには、どれだけ面白いと思っているのかを伝えるということが重要なのでないでしょうか。私の場合、「eラーニングで既存の教育を置き換えるのではなく、教育に新しいツールを加えるものです。たとえば、CADのシミュレーションを行う授業や、ERPを実際に使う授業を展開しようとすれば、eラーニングでなければ実現できないと思っています。」と答えました。(ここに出すのが恥ずかしいような受け答えです)

「eラーニング」と聞くと聞こえは良いですが、決して目立つ分野ではありません。研究すればするほど、解決しなければいけない問題が多いと実感しています。また、その問題も目立つようなものではないと思います。しかし、その「目立たない」部分が、他の就職活動者によって語られる「世界を旅してきました」や、「マスコミ関係に何百人の人脈があります」というような創られた話よりもリアリティをもたらすのではないかと思っています。
私の例では、IDを語ることが就職活動にメリットがあったかといわれると、多少疑問がある点は否めません。期待したようなレスポンスはありませんでした。しかし、それはIDに興味がないということよりも、そのころの私自身に興味がなかったのではないかと、今では思っています。

私は、現在修士1年であり、就職活動を控える身ですが、次に同じような場面に出会った際は、自信を持ってIDを語ろうと思っています。それは、この活動で重要なことは研究していることを心から面白いと思っている姿勢だと思うからです。また、現実を直視し、そこで発見した問題を解決しようとする姿勢は、IDを研究している人のアピールポイントではないかと思います。きっとその熱意さえあれば、たとえIDを知らない人にもIDを理解してもらえるのでないでしょうか。ひいては、就活の成功へとつながると感じています。

これから就活を控えた皆様、一緒に頑張りましょう。
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PS:8月21日から香川大学で行われるJSISE全国大会ですが、私は、21日の企画セッションAで講演致します。かなりの人見知りですので、お声をかけていただけると幸いです。なお、その香川県高松市ですが、あの「世界の中心で愛を叫ぶ」の撮影場所から、非常に近いそうです。ということで今回の私のテーマは「世界の中心でIDを叫ぶ」です(笑)
(青山学院大学 橋本 諭 , mail:satoshi-hashimoto1982@nifty.com)


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