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IDマガジン第31号 (2010/7/22発行)


[031-04] 【報告】日本教育工学会設立25周年記念シンポジウム参加報告

2010年6月19日、梅雨の間の晴れ間に、聖心女子大学にて行われました25周年記念シンポジウムに参加しました。25周年記念の豪華な内容で、第1部は「研究方法論を探る」として若手研究者の方々による最近のトレンドを交えた発表、第2部は「日本の教育、これからの10年」として、教育工学分野と周辺領域の著名な先生方による発表でした。今回は、第2部の発表の中から、隣接学問分野でありながら、なかなか聞く機会がなかった村井純教授、市川伸一教授のお話をピックアップさせて頂き、参加報告とさせて頂きます。

まず、「日本のインターネットの父」村井純教授の話。
「クラウドコンピューティング」というBuzzWordが出ている時代。サービスを手に入れられれば、コンピュータを意識する必要は無く、社会としてのグローバルな空間が出来た。それに教育はどうか関われるのかが今の課題。日本語・日本文は、グローバルな空間に対して、どう貢献できるかを考えること。例えば、日本は「ものづくりが強い」ので、「強い商品を開発」し、「ものをたくさん出していけば良い」という考え方となりがちが、「ものづくりということに日本文化がどう貢献できるのか」、という考え方となる。

そして、教育心理学者 市川伸一教授の話。
学校での学習の2サイクル「習得」と「探求」。このサイクルは時代によって大きく動いてきた。昔は習得サイクル中心、今は探求サイクルが中心で、どちらかに偏った時代が続いている。どちらが大事というわけではなく、振り子のように今度こそバランスを保つべきだ。また、学習・教育に関する学問分野で、教育工学は実践的かつ実証的な「オイシイ」ポジションにいる。教育工学に関わる研究者・企業・自治体すべてが現場に入り、実践を進められる学問だ。

これらの話から、私自身は企業で教育サービスを提供する側として、
・「グローバルな空間」を意識した考え方、発想の転換が必要
・教育工学は、専門性と実践によるエビデンスが大事
という2点がこれから特に意識すべき点と感じました。
最近iPadやタブレットPCなどのハードウェアの登場と、学校で子どもが使うデジタル教科書などの政策で、教育分野が活気づいている感じがします。その時こそ、教育工学者・社が「グローバルな視点」で「バランスを保った」有益な実践につなげ、エビデンスを広く知らせるべきと強く感じました。

(山本雅之 ソフトウェアメーカー勤務・岩手県立大学時代のヒゲ講師の弟子)


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