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IDマガジン第6号 (2004/10/20発行)


[006-05]慌しい夏が終わり秋になりました

大学教員の夏は長い。企業人にはうらやましい限りだと思うが、8月と9月の2ヶ月間がまるまる夏休み(です。ごめんなさい)。アメリカの大学教員は12ヶ月契約(夏も教える)と9ヶ月契約(夏は教えない)の2種類があり、9ヶ月契約の場合は夏休みの給与は支給されない。その点、日本はおおらかです。2ヶ月間教えなくても給与は支給される。ヒゲ講師の場合、岩手県民の納める税金+国からの補助金から給与が支払われているわけで、この事実を神妙にうけとめています、はい。(注釈:講義がない=大学の仕事がない、ではありません。この夏は、法人化準備とシラバス点検WG、それにAO入試がらみの仕事がありました。でも、講義がないのは事実。)

10月に入り、長い(しかしあっという間の)夏が終わり、後期が始まりました。今期は大人数の講義担当なし。教職科目1つと大学院の講義が2つ(一つは東北大学大学院での非常勤)、あとは演習・ゼミと卒論・修論指導。これだけだと楽なのですが、岩手での仕事以上に他所での仕事が山積しています。慌しい夏の次には、充実の秋、となりそうです。

以下に、ID活動日誌(5)以降のヒゲ講師の主な活動をダイジェスト版でお届けします。日誌、というよりは日記になりそうですが、おつきあいくださいませ。

□9/17 講師「選択講義:情報教育」
文部科学省平成16年度教職員等中央研修講座@(独)教員研修センター(つくば市)
学校の先生の中で地方の教育委員会の推薦をもらい「この人は将来この県を担っていく人」とお墨付きで集まった全国の小・中学校中堅教諭200名余がつくば市の山の中で5週間缶詰になる研修。ヒゲ講師は、毎年このエリート集団の研修講師を務めている。昨年から90分ずつの一斉講義を改めて、情報、ボランティア、環境、人間教育から1つ選んで1日研修形式となった(良い変化!)。

「情報教育」を選んだ人が20人余りであったことは何が原因か(研修内容の不人気さ、講師の人選、あるいは予習課題を出したせい?)不明であるが、楽しい1日を過ごした。もちろん「情報教育」という名の下に強調したのはIDの考え方。ガニェの9教授事象やARCSモデルはいつでも人気の内容。なかなか知られていないだな、ということを再確認する瞬間でもある。
講義選択の資料として配布したA4版1枚の資料は下記に。
URL:http://www.anna.iwate-pu.ac.jp/~ksuzuki/resume/addresses/a40917.pdf

□9/23-25 日本教育工学会 第20回全国大会
URL:http://www.mr.hum.titech.ac.jp/jset2004/
行って来ました東工大。毎晩よく呑みました。最初の夜は、韓国からの招待客を囲んでの中華料理+二次会は自由が丘の洒落たスコッチバー。次の夜は学会の懇親会@東工大食堂(ジャズバンド付)。最後の夜は、岩手県立大学鈴木研OB・OG会(初開催)+発表慰労会。連名発表は5件(鈴木は相変わらず何もしない連名者)。韓国との共同セッション(英語で発表)のコーディネータ+司会と最終日の座長が表に出た仕事でした。学会におけるヒゲ講師のスタイルが徐々に確立しているような気もしますが、たまには自分でも発表しなければと思った次第。来年は徳島大学で同じ日程との知らせに、「来年も大学院入試とバッティングか、参加できるかなぁ」と。

□10/1 コーディネータ「パネルディスカッション:学びを育む教育メディアの活用」第46回放送教育研究会東北大会(岩手大会),盛岡市民文化ホール
NHKの学校放送番組を授業でどう役立てるかを研究する会の東北大会が岩手で開催されるということで、全体会の講演を頼まれた。丁重にお断りして、「パネルはどうですか?」と持ちかけた。その結果コーディネータをお引き受けすることになった次第。岩手の小学校と山形の中学校で番組を活用している先生と、メディア利用の若手研究者、それにNHK番組制作者を招いて大いに盛り上がった。メディアリテラシーと情報活用能力、情報教育と各教科の学習の連携、交流学習を支える教師の役割などが話し合われた。放送教育の研究会ということで、岩手県内のラジオ番組として放送される予定。

□10/4-5 第2回「詳説インストラクショナルデザイン eラーニングファンダメンタル」 ブレンティング講座
URL:http://www.elc.or.jp/semina/semina041004.htm
eLFの今年度第2回は、受講者20名弱で開催、「激しく楽しく学んだ仲間」がまた少し増えました(注釈:現在、最終課題に取り組んでいるため、正確には「また少し増えます、あるいは増えるといいですね」)。事前に全章を読破して事前課題を提出することがブレンディング講座参加条件であることは継続し、その上に「ほかの受講者の書き込み最低1つ以上にコメントをつけること」を追加、さらに激しさを増してます。

ブレンディング講習の2日間は、各章への質疑応答が中心。序章から13章までを時間配分すると1章につき30分程度になり、密度が濃い時間が経過。でも、毎回少しずつ工夫を凝らしています。SCSを使った5日間版eLF2003から2日間版の第1回ブレンディング講習への工夫については、鈴木克明・市川尚・根本淳子(2004.5)「SCS集中講義<eラーニングファンダメンタル>の評価と改善」『教育システム情報学会研究報告』19(1) 55-62. で報告済み。
URL:http://www.anna.iwate-pu.ac.jp/~ksuzuki/resume/papers/a405.pdf
今回(第2回)の工夫は、講師陣の協力で、「講師がグループ討議を順番に回っていく方式」を採用。4章(小松)、5章(木山:NTTレゾナント)、6章(畑田:ファシリテータ)、7章(根本:ファシリテータ)が4班に分かれた受講者グループを順次訪ね、加わった講師の担当章を順不同で討議する方法で初日の午後を過ごしました。受講者にすれば講師・ファシリテータとより身近に話すチャンス、ただし必ずしも4-7章の順序で学習するわけではない。講師・ファシリテータにすれば、自分が得意の章について、ずっと話し合えるが4倍の労力がかかることになった次第。その時間、ヒゲ講師が何をやっていたかは秘密にしておきましょう。

□2004.10.9. 講師「フレキシブル学習環境における授業設計」
(独)メディア教育開発センター(NIME)公開講座(第2回)
NIMEは、幕張の放送大学の隣にある大学共同利用機関。大学教育の質向上を目指して設立した研究機関で、対象となるのは大学教員。ヒゲ講師は昨年からNIMEが主催する「IDを活用して授業を改善しましょう」研修会の講師をしています。4人の教育工学研究者が講師で、自分の授業を何とかしたいと全国から救いを求めて集まっている大学教員にアドバイスをしています。大学教員を相手にするという禁断の領域に踏み込んでしまって、ヒゲ講師は困惑しながらも、「企業人相手よりも将来有望な未開拓領域(?)」にどのようにアプローチしようかと知恵をひねっています。

「講義第1回のオリエンテーションは、半期で何ができるかの全体像を示す。昨年の受講者の最終成果を例示しても良い。講義担当者の思いを演説する好機。この科目に真剣に取り組むと受講者にどんなベネフィットがあるかを明示する。そして、どうしたら単位が取れるのかを明らかにする。動機づけをして契約内容を確認するという重要な役割をもつのが第1回目です。」
「何を学ばせたいかの分析はとてもよくできてますね。でもそれを裸で見せられても魅力はないから、実用場面でどんな活用ができるかを先に示すのがよいです。ポートフォリオ(4段階で出来具合の質を評価する方法)は相互評価に使って、作品の品評会をするのが良いでしょう。チェックリスト(できたかできないかが客観的に判断できる項目)は合否判断に使って、相互評価は合格者の優良可を決めるために使うのが良いでしょう。」そんなコメントを述べました。大学でも企業でも、抱える問題は大差ないようです。

(ひげ講師記す)


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