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IDマガジン第74号 (2018/7/27発行)


[074-05]【報告】第34回まなばナイトレポート 「おとなの『学び』を考える:自律した学び手をめざして」

平成30年7月1日、梅雨明けもまだなのに、毎日暑い日が続いた大阪で「第34回まなばナイトin大阪」が開催されました。
関西で開催されるのは一昨年の第24回以来、という久々の開催でしたが、その少し前に大阪北部で大規模な地震が発生するなど、いろいろ慌しい中での開催になりました。

今回は「おとなの『学び』を考える:自律した学び手をめざして」というテーマで行いました。今年3月に発刊された鈴木先生の著書である「学習設計マニュアル(北大路書房)」をもとに、知識や考え方を最新のものに更新し、生涯学び続けるためにどのような「学び」が必要とされるのか、という点について3名のスピーカの方からの発表がありました。

最初のご発表は竹岡先生です。高専でのキャリア教育において、「将来を見通した学び方」を身につけるための授業実践をご紹介いただきました。竹岡先生は「学習設計マニュアル」の執筆者のお一人でもあり、本書を用いて、Google Formなどを利用した学習内容の確認、Maharaによる振り返りなどを取り入れた授業を実践されています。
印象に残ったのは、学習者が最も役にたった、としたのが「失敗に強くなる」という授業だった、というところです。おとなしく、間違えたりすることを避ける学習者と多く接してきているので、本書のなかの「失敗に強くなる」という点だけでも自分の実践にとりいれられないか、と感じました。

続いては辰巳さんから、ご自身の学びの振り返りについて発表していただきました。学習者としてこれまで学んだこと、それら学びがどのような理論と結びついているか、さらに学んだことが具体的にどのように活用されているか、について事例とともにご紹介いただきました。常に問題意識をもち、それを解決するために自ら学ぶ姿勢がなければいけないのだ、と改めて実感しました。

3人目のスピーカーである桑原さんからはご自身の研究から見えてきた問題点を「学習設計マニュアル」で改善するとしたら、というお話がありました。主体的なキャリア形成力を高めるための授業デザインの研究を通じて出てきた課題を学習者による学習設計という視点で改善するための提案がありました。

3つの発表のあと、各グループでの簡単な気づきやディスカッションを行い、最後に鈴木専攻長からクロージングのメッセージをいただきました。IDによる学習支援をしていくと、その支援にばかり関心が行き、まるで小学生相手に学習を提供するような、いわゆる「過保護」なものになってしまう、そうならないために本書出された、ということをお話いただきました。自らの学びを設計、「学ん」で「問う」ことができるのが「おとな」である、とあとがきにもあるように、IDによる教授支援は学習者を「おとな」にするためのものかを考える必要がある、と感じました。
皆さんの実践をご紹介いただき、日々の自分の実践に対する課題がまたいろいろ出てきましたが、これからもこのような機会を通じていろいろ学習をしていけたらと思います。

*学習設計マニュアルの概要、竹岡先生の高専での授業実践は以下に紹介されています。参考にされてはいかがでしょうか。

学習設計マニュアル関連

(熊本大学大学院教授システム学専攻 修士9期修了/博士後期課程 中前雅美)


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